青空日記(2020年 5月2日) コロナ環境でのIT業界の動き 決算状況から見えること(金融/IT)
【このブログの特徴】
日々のニュースから気になるものを選択し、自分なりの考察を書いて
紹介するものです。
IT業界はコロナ環境でどのような状況になっているのか、決算状況から見てみる
【概要】
世界各所で1月~3月期の決算が出始めており、予想通り厳しいものが多い。
しかし、逆に思ったほど変わっていない面やコロナ影響でプラスに転じている企業も
あるため、気になるニュースを取り上げる
(1)米主要企業の決算
①Facebookやグーグルは現時点では安泰、今後は広告費削減影響が響く
【ニュースの要約】
現時点では、1,2月の好調を受けて利益を十分上げており、現金もあるためしばらくは心配ない。
巣ごもりでネット利用は増えており、アンドロイド上のアプリのダウンロードは2月から3月で3割も増えている。
しかし、広告を出す企業が減っていたり、消費につながる検索が少なかったり(コロナ関連の検索など)するため、広告ビジネスが今後は困難になることが予想される
Facebookの決算ニュース
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58630060Q0A430C2I00000/
グーグルの決算ニュース
https://www.asahi.com/articles/ASN4Y32CFN4YUHBI00Q.html
②アマゾンは26%の増収だが、29%の減益。コストをかけてサービス維持
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2005/01/news056.html
コロナ影響で巣ごもり需要により、サービス拡大は順調で、大幅に収益がのびている。
特にAWS(アマゾン ウェブ サービス)が33%も伸びており、売り上げ1兆円をこえている。一般の方にはあまりなじみがないかもしれないが、ITビジネスのインフラ基盤を占有するということはかなり重要なことである。
しかし、そのサービスは人的資源により、維持されている部分も大きいため、サービス維持の安全対策に4000億円以上のコストをかける予定とのこと。
(2)国内企業
①LINEは先行投資の影響で赤字も、広告は11%増
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58591020Y0A420C2DTC000/
前年同期比で赤字幅は縮小(103億→82億)
ニュースや公式アカウント利用などが増えて、広告収益は330億と伸びている。
本業で利益が出ているが、先行投資の「LINE証券」のコストや「LINEペイ」の利用者が伸び悩んでいる。広告以外のビジネスをどこまで育てられるかが課題
②メルカリ 2020年6月期最終赤字276億、上場(2018/6)以来3期連続赤字だが売上高は前期比41~45%増の730億~750億円を予測
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58664840Q0A430C2DTC000/
スマホ決済「メルペイ」や米国でのキャンペーンなどの先行投資費用がかさんで赤字となっている。
2018年上場以来の赤字が続いているが、本業のスマホアプリだけの事業で見れば
前年比で営業利益が54%増、月間利用者数も28%増と着実に伸びている。
【私の考え】
IT業界としては、コロナ影響で物理的な移動や取引が制限される状況は、デジタル化が進むチャンスであり、実際に1~3月期もその傾向が見て取れる。
今まで面倒で利用を控えていた人々も利用を始めており、さらに、リモートワーク、遠隔授業など今まで「後回し」にしてきたことも、現実に必要になってきたからだ。
しかし、直近は経済が停滞しているため、現時点では、先行投資が利益を圧迫しており、しばらくはこの動きが続くと思われる。
したがって、これから回復期がきてからの動きに、注目したい。
【あとがき】
他の業態にも多くの変化がみられるため、今後も各企業の動向には注意を払いたい。
投資を考えている人は特にこういった情報には注意を払うことが必要だと思うので
ゴールデンウィーク中時間があれば気になる企業を調べてみてはいかがだろうか。
皆様はどう思いますか