青空日記(2020年 5月17日) コロナ環境下での経済活動について(経済産業省成長部局資料 海外編)
【このブログの特徴】
日々のニュースから気になるものを選択し、自分なりの考察を書いて紹介するものです。
【今回のこのネタを記載することにした理由】
経済産業省成長部局が今回のコロナ環境についてまとめた資料がある。
資料58ページをすべて読むことはなかなか難しいと考えるので
大手SI企業の管理職であり、ファイナンシャルプランナーの資格を持つ自分なりに
資料から見える、今の状況と今後について簡易に読めるようにまとめてみる。
まず、今回は米国中心に海外に関する部分を中心に記載する。
【概要】
1.世界経済
(1)GDP成長率
・世界全体は-3.0%だが、ヨーロッパが-9%~-7%と特に悪い
・米国は-5.9%と日本の-5.2%とほぼ同じ程度
・中国は+1.2%と何とかプラス圏だが昨年は6%程度伸びていた
(2)米国の状況
・世界経済の中心である、米国は新規失業者が急増した。
この15年程度の週当たり平均50万件程度だったが、1週間で680万件超の
失業者を出し、コロナ期間(3月中旬から4月末)で3000万の失業者が出た
・労働参加率(意欲)も減ってきており、引退する人も多い
2.各国の経済活動抑制と経済支援
(1)経済活動抑制措置
・米国は不可欠な業務(医療やライフライン等)以外はオフィス閉鎖や
業務停止。違反時は10万程度の罰金や90日の禁固刑等(州により異なる)
・ヨーロッパ(英国、ドイツ、フランス)も基本は米国と同じで、不可欠な
業務(医療やライフライン等)は営業停止、外出も規制される。罰則は
違反金10万程度~100万程度(州により異なる)
個人の違反(外出違反、旅行やパーティ等)にも罰則あり
(2)支援措置
・米国は個人向け給付金は個人に10万程度、子供に5万程度を給付。
収入により金額が異なり9.9万ドル(1100万)以上の人には給付されない。
他にも国として失業者への給付や企業への支援(返済免除等)もあるが、
州政府の独自支援もあるのは日本同様。
・ヨーロッパ(英国、ドイツ、フランス)は、個人給付は行わず、
企業や個人事業主への給付を行う。(企業規模により100万程度)
また、既存の失業保険などで、失業者への給与補填を60%程度行う。
3.各国の経済活動再開と再開後に向けての動向
(1)経済再生に向けたガイドライン
・米国は専門家の助言に基づき、州知事の判断で、3段階で再開。
1段階目は14日間患者が減少するなどの条件を満たすことで、段階的に
仕事に戻る。極力密集や衛生面を気を付けながら学校や映画館なども再開。
2段階目以降もこの条件を満たたすことで、順次職場を通常通り再開へ、
各施設も標準的な距離さえ確保すれば、通常通り運営できるようになる
・EUは、各国で作成した基準を作り、5月からなどで順次段階的に企業や
学校を再開させる方針。
行動方針があり、企業にはテレワーク継続を要請し、個人も接触は
最小限で距離も確保するようにする。
(2)経済再開後に向けての動向
・接触追跡アプリにより、Bluetoothによりユーザ同士の接触を検知。
これを医療機関や政府が活用し、状況を把握する。
特に中国はアリババなどが開発したアプリで自治体が外出制限まで
求める模様。
【私の考え】
全体として、先進国中心のレポートであるので、世界全体の動きは見えなかったが、日本とは以下の点が異なった。
①徹底して規制する
個人への罰則規定もあり、外出や感覚規制に従わないだけでも違反になり、
警察の指示に従わない場合は逮捕も辞さない。
国民性もあるだろうが、徹底した規制には危うさもあるが関心した。
②支援措置が効率的
「1000万以上の年収の人に給付なし」であったり、個人ではなく雇用や給与に
手厚く保証する点が効率的だと感じた。
日本のように財源が厳しい中で、所得1億の人に10万給付する必要性を
感じない。
③国家レベルでデータ収集に力を入れている
接触追跡システムをモバイルアプリなどを活用して、早急に整える方針。
(EUの再開ロードマップでも明示されている)
ただし、この取り組みは個人情報の扱いなどが難しいと感じる。
日本でも取り入れる議論が出たら、まず否定されるだろう。
逆に取り入れるなら、システムが悪用されないように厳しい運用監視が
必要になる。個人情報だけでなく、政府機関がこれを悪用しないとも
限らないので国民自身による監視が必要。
【あとがき】
すでに、日本だけでなく、各国でも順次外出許可も出ているので、これから本格的な動きが始まる。
歴史上なかなかこのような機会はないので、グローバル経済の現代においては、日本だけでなく世界の動きにも注目したい。
新たなスタートに向けて、私たち自身が考え、子供たちにも伝えていくことで、適切な対応ができる社会に進んでいくように努力していくことが必要かと考える。
皆様はどう思いますか