相続について簡単に説明します(お金の知識に関しての初心者向け)
相続について簡単に説明します
【本ブログの目的】
「大相続時代の到来」と言われて久しいですが、私も親が高齢になってきたので、親が元気なうちにと考えて準備を進めています。
しかし、検索上位のページは法律や金融の専門的な言葉が多く、”初心者には、わかりづらい”と感じたので、ファイナンシャルプランナー資格で勉強したことを活かしてポイントを絞って、初心者向けに最低限知っておくべきことをまとめてみました。
(ファイナンシャルプランナー試験では相続も試験範囲に含まれます)
私の親、兄弟、子供にもこれで説明できればと思って書いています。
皆様にも、少しでも相続について理解が深まれば幸いです。
【概要】
相続の概要(ファイナンシャルプランナー試験の参考書より概要を抜粋)
①相続とは
被相続人から相続人に財産を継承させることであり、「被相続人が死亡した時点」から始まる。簡単に言えば、おじいちゃんが亡くなったら、その「死亡した日」から相続は始まります。
例えば死亡した日から14日以内に健康保険を停止したり、各種金融機関に連絡するといった相続の準備作業をすることが求められます。
従って、その日にはある程度準備できていた方が良いことになります。
②相続人とは
相続人として一番重要なのは「法定相続人」です。簡単に言えば「自動的に相続人になる人」を指します。遺言があった場合には、法定相続人以外に相続させることもできますが、まずは基本を押さえることが重要かと思います。
具体的には、被相続人の配偶者(夫or妻)と一定の血族となります。基本は配偶者は必ず相続人となり、以降の順位が、1位子供、2位親、3位兄弟となります。子供がいれば親や兄弟は含まれないことになります。
③相続分
各相続人が財産をどの程度相続するかということです。遺言のある場合や協議して決めるなどの場合は、その内容に準じますが、基本的な自動分配である「法定相続分」に関して以下に説明します。
配偶者と子供が相続の場合は、配偶者が1/2、子供全員で1/2
配偶者と親が相続の場合は、配偶者が2/3、親全員で1/3
配偶者と兄弟が相続の場合は、配偶者が3/4、兄妹全員で1/4
例えば3000万の相続だとすると以下の通り
ケース1配偶者と子供が2人(A君、B子)の場合
・配偶者1500万(1/2)
・A君 、B子いずれも750万(1/2である1500万を2等分)
ケース2 配偶者と兄妹3名(Cさん、Dさん、Eさん)の場合
(亡くなった方に子供も親もおらず、兄弟しかいない)
・配偶者 2250万(3/4)
・Cさん 、Dさん、Eさんはいずれも250万(1/4である750万を3等分)
※ご参考 「遺留分」
よくドラマなどで、遺言にて親族でもない「他人」に相続させるとなって、奥さんや子供たちがその「他人」を殺害するという物語があります。しかし、法律的に奥さんや子供たちには遺言に抵抗できる「遺留分」というものがあるので、それを使えば一定の配分(上記の相続分の半分)で受け取れます。
ただし、時効(相続開始から1年または知らなかった場合は10年)以内の請求が必要です。
【注意すべきポイントとアクションプラン】
上記概要を踏まえて、注意すべき「ポイント」私なりの「アクションプラン」を記載します。
ポイント1.情報を取り寄せること自体が難しく収集するのに時間がかかる
情報に関しては、昨今扱いが厳しくなっていることから、別人が取り寄せるのは非常に難しくなってます。
そのため、特に戸籍などの個人情報や金融機関の情報は、本人でないと色々な証明書類が必要になります。
また、私も経験して初めてわかりましたが、手続きする本人は高齢ですので、何をするにも時間がかかります。そのため、早めの着手と相続する人(子供たち)が色々フォローする必要があります。
<オススメアクションプラン>
本人が元気なうちに資料準備や代理人手続きをしておく
まずは、本人が元気なら自分で準備してもらった方が良いです。しかしそれが難しいなら、早めに代理人手続きをして高齢の両親に負担とならないようにすることもお勧めです。
私はFP資格も持っていますので、代理人となって、色々確認し親の金融商品を利益のあるうちに処分することができました。ただし他の相続人には事前に話しておいた方が良いです。私は兄妹には事前に話しました。
ポイント2:相続人の確認は意外と難しい
配偶者や同居してきた子供しかいなければ、難しくはないですが、例えば離婚経験があり前妻に子供がいれば、その子供は再婚後の子供と同じ1位の優先度で相続人に含まれます。また、遺言書があれば、そちらが優先されるので遺言書を作っているかどうかも確認しておきましょう。
仮に知らない相続人が出てきた場合は、その人に連絡を取ることも難しく、その人が亡くなっていても、「代襲相続」といって、その人の子供に相続権が移ります。
知らない人のさらに子供となると、それこそ確認するのは難しい状況になります。
<オススメアクションプラン>
戸籍を取り寄せておく
法定相続人の確認には、「戸籍」が一番です。ただし、亡くなった方が何回も転居していたりすると、各転居先の役場から情報を取り寄せたり、さかのぼるのが結構大変です。
また、昔のデータはデジタル化されていないものもあるので、時間がかかるものであることは理解しておきましょう。
ポイント3 相続資産について確認する
資産を確認することは当然ですが、「何がいくらあるのか」を確認するのは以外と大変です。
まず、「何が」となると、今やネット銀行などもあり、通帳が自宅にない場合もありますので目に見えるものだけとは限りません。他にも「実は田舎に土地を持っていた」というようなケースもあります。
また、「いくら」となると、不動産や株式など資産価値が随時変わっていくものがあります。これは簡単に相続人全員に分配できるものではないので、早めに把握して対処しておく必要があります。
<オススメアクションプラン>
資産を一覧化して、価値の変わる資産を極力減らしておく
まずは、資産を一覧化して、被相続人となる自分の親に確認しておきましょう。
また、忘れているものもあるので、実際に自宅に行って、書類などを確認しておくことをお勧めします。大事なものをどこかにしまっておくという習慣は特に昔の人には多いので、意外なものが出てきたりします。
次に、価値の変わる資産は、可能なら早めに処分しておくことをオススメします。当然売却タイミングというものはあるのですが、高齢者は基本的にリスク資産を持つのはオススメできません。(価値が下がった場合に働いて取り戻すという事が難しいので)。
まず、不動産は、アパート経営しているとかならともかく、田舎の土地などであれば、税金がかかるだけで、資産価値がないかもしれません。また、株式や投資信託は、長期資産形成向け商品ですし、素人が「うまく高値で売ろう」などと考えてもうまくいきませんので、減らした方がよいと思います。
【あとがき】
実際に相続するときは専門家と相談して対応した方が良いとは思いますが、専門家はアドバイスはくれても「判断は自分が下す」ことになりますので、基本的な考え方を身に着けておくことは重要だと思います。
私はファイナンシャルプランナーの2級資格を持っており、投資もある程度経験はしましたが、しょせんは素人ですので、日々勉強しながら進めています。
まずは、家族と話してみて、少しずつでも対応することを考えてはいかがでしょう。
最終的には亡くなった方含めてみんなが幸せになれればと思います。
皆様はどう思いますか
(専門家の方がみて間違いなどあればご指摘ください)
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